異世界もふもふ保育園へようこそ!

 すっごい甘やかされている感じがするのに、心地よすぎてすっかり甘えてしまっている。
 ローライドさんはハッとして、甘えすぎなことを反省する言葉を口にした私に小さく声を落として教えてくれた。

 「今でこそライラは元気だけれど、カーライドを産んだ後に体調を崩してなかなか二人目が出来なくって諦めたんだよ。ライラは娘を欲しがっていたから、今の状況が嬉しくって仕方ないんだ。だから、ハルナは申し訳なく思わずに甘えてくれると助かるよ」

 ローライドさんと話している今も、ライラさんは楽しそうにキッチンで料理をしている。
 私はその姿を眺めつつ立ち上がってローライドさんに言った。

 「うん、ありがとう。私も嬉しいから、甘えることにしちゃうね」

 そう言って、私はライラさんのいるキッチンに行き夕飯の支度のお手伝いをした。
 それは、ここに来る前にもあった光景。
 今頃、お母さんどうしているだろうか。
 私は元気にやってけそうだから、心配しないでくれると良いけど。
 娘が行方不明ってきっと心配してるよね……。

 帰れないけど、元気にやってることだけでも伝える術があったらよかったのに……。

 そういった思いもあって、私はここでの親代わりなローライドさんとライラさんに甘えつつ、本当の親にはできないことを恩返し的に孝行していこうと密かに決意したのだった。

 異世界人の私をこんなに温かく受け入れてくれたことには、感謝しかないから。

 こうして、自分のことでもいろいろ考えつつも日々は移ろい真夏を迎える前に異世界もふもふ保育園の園舎は完成を迎えたのだった。
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