【完】溺愛したいのは、キミだけ。

*俺だけのものになってよ

「……はぁ」


毎日ため息ばかりが募っていく。


今日もモヤモヤしたままで一日が終わってしまった。


翠くんのことを考えるたびに、胸が苦しくなる。


結局彼とはその後もずっと話せないままで。


あのキスの理由も、春田さんとの関係も、気になるけど聞くことができない。


どこかで知るのが怖いって思ってる自分がいるんだ。


ついこの間までは、あんなに仲良く話せていたのに。


一緒にお昼を食べたり、二人で帰ったり、楽しい時間を過ごせていたのに。


私があの時逃げてしまったのがいけなかったのかな。


翠くんとはこのままずっと、気まずい関係のまま疎遠になってしまうのかな。


そして彼はこのまま、春田さんと……。


ダメだ。考えれば考えるほどネガティブになっちゃう。


そういえば颯希くんは、翠くんに春田さんとのことを聞いてみるって言ってくれたけど、その後翠くんと何か話したのかな。


颯希くんを当てにしちゃいけないとは思うけれど、気になる。


私はこれからどうしたらいいんだろう。


翠くんの本当の気持ちを知りたいけど、やっぱり聞く勇気がないよ……。



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