【完】溺愛したいのは、キミだけ。

*こんな偶然アリですか?

『おはよう。いつまで寝てんだよ。起きないとキスすんぞ』


耳元で聞こえる、心地よいイケメンボイス。


聞き慣れたこの声は、そう。大好きな声優、星野カケルくんの声。


だけど、私の頭はまだ夢の中。


もう少しだけ、彼の声を聞いたままウトウトしていたいの……。


――ガチャッ。


そんな時、部屋のドアが開く音がして、それからドタバタと足音が聞こえてきた。


そして……。


「コトちゃん、起きて! いいかげん起きないと遅刻しちゃうよっ!」


体を思いきりゆすぶられ、パチッと目を開ける。


するとそこにはいつものように困った顔で私を見下ろす妹、美羽(みう)の姿があった。


すでに制服に着替え髪もセットして、メイクもバッチリな彼女。


「あ、美羽、おはよう」



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