【完】溺愛したいのは、キミだけ。
そう言った途端彼がゆっくりと体を離し、私の顔をじっと覗き込んでくる。


至近距離で見つめあったら、ますます心臓がドキドキとうるさくなって。


「いいよ」


頷いたら次の瞬間、優しく唇をふさがれた。


はじめての感触に、全身が熱を帯びたように熱くなって、また鼓動がどんどん早くなっていく。


どうしよう。幸せ……。


誰かを好きになって、その人と思いがひとつになれることが、こんなにも幸せなことだなんて、知らなかったよ。


そっと唇が離れて再び目を合わせたら、玲くんの顔が少し赤くなっていることに気が付いて、思わず顔がほころぶ。


でもね、たぶん私の顔も今、真っ赤だと思うんだ。



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