【完】溺愛したいのは、キミだけ。

＊キミじゃなきゃダメだから

――キーンコーンカーンコーン。


放課後、帰りの支度を終えた私は、少しドキドキしながら席を立った。


今日こそは、颯希とちゃんと話そうって、そう決めたから。


今日は水曜日だから颯希も部活が休みだし、一緒に帰ろうって誘ってみよう。


友達と輪になって話している颯希に、声をかけようと近寄る。


するとその時。


「美羽ちゃん！　二年生の先輩が美羽ちゃんのこと呼んでるよ～！」


クラスメイトの一人がそんなふうに声をかけてきたので、すぐさま教室のドアのほうに目を向けた。


すると、そこに立っていたのは、あの宮下先輩で……。


見た瞬間ハッとする。


そうだ。私ったら、まだ宮下先輩にもちゃんと告白の返事してないんだった。


颯希に告られて、そのことで頭がいっぱいになっちゃってたよ。



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