【完】溺愛したいのは、キミだけ。
すごいなぁ。いつのまにかハーレム状態になってる。


翠くんとは最近だいぶ仲良くなれたような気がしてたけど、こうやって見るとやっぱり、住む世界が違う存在なのかなって思ってしまう。


本当はもっと自分から気軽に話しかけてみたいけど、あれじゃとても話しかけられそうにないなぁ。


なんて思いながら翠くんのほうをボーっと見つめていたら、ふと彼がこちらを向いて。


……あっ。


その瞬間バチッと目が合ってしまった。


ど、どうしよう。ジロジロ見てたって思われたかな。


すると翠くんはそこでササッと女の子たちの輪から抜け出すと、なぜか私のほうへ向かってスタスタと歩いてきた。


「ヒナ」


声をかけられて、ドキッと心臓が跳ねる。


わざわざ話しかけに来てくれるなんて。


「あ、翠くんっ。試合お疲れ様」


「珍しい。ポニーテールじゃん」


さっそく私の髪型の変化に気が付いてくれた翠くん。


「うん。体育があるから結んでみたの」


「へぇー、そっか。なんか新鮮だな」



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