平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
なんだか懐かしくなって、気付いたら子守歌を口ずさんでいた。それは母親がよく歌って聞かせてくれていたもので、彼らもそれを数日前から気に入ってくれていた。

と、不意に手を取られた。

しっかりとした大きな手の熱に気付いて、リズはハッと目を開けた。

目を向けてみると、そこには横になっているジェドがいた。先程まで幼獣をあやしていた彼女の手を、彼の大きな手がすっぽりと覆って握り締めている。

「そいつらだけ、というのはなんだか贅沢だな」

「え?」

「そんなに気持ち良さそうにされていたら、羨ましくなる」

そのまま手を軽く引き寄せられて、すり、とジェドが頬ずりした。

リズは、わけも分からずドキドキしてしまった。あの美しい青い目が、至近距離で自分の手を見ていることに、どうしてかとても胸が高鳴って緊張した。

なんだか、とても恥ずかしい何かを見せ付けられているような気さえしてき。もう見ていられなくなって、リズは思わず目を伏せた。

すると、握られていた手の動きが止まった。
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