平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
先日、副団長のコーマックも、普段からあまり休憩も取らない人であるのだと心配していた。

『相棒獣がいたのなら、魔力を分けてもらえるので回復も早いのですが……』

他の獣騎士と違って、相棒獣がいないため獣騎士本来の回復力には届かない。

獣騎士は、相棒獣がいて完全なる最強戦士となる。そうして相棒獣もまた、自分の獣騎士がいてこそ本来の魔力保有種としての力を発揮する。

これまで軍とは縁のない暮らしを送ってきた。貴族の療養地でもない遠い田舎の地で、馴染みのないリズには、それがとても不思議な関係にも思えた。

――あなたには私が、私にはあなたが必要。

まるで、そんな言葉が浮かぶかのようだった。あるべき大切な相棒だとしたのなら、もしかしたら欠けている状態は、寂しいことだったりするのだろうか?

リズは、ジェドをしばらく、そっとしといてあげることにした。

空を見上げてみると、長閑で静かな青がどこまでも続いていた。膝の上にいた幼獣が、耳をピクピクッとして、もぞもぞとふわふわの身体を丸め直す。

「――あら、夢でも見ているかしらね」

ぽんぽん、と膝の上にいる幼獣をあやすように撫でる。触れている手から「ぐるる」と気持ち良さそうに喉を慣らすのに気付いて、温かい気持ちが込み上げた。

本当に、ママになった気分だ。

リズは心地良くて、自分も少しだけ目を閉じた。
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