君とみたあの夏の流星群。
「ごめん、俺。星祈が苦しんでるのに気付いてあげられなくて」
「……ううん、謝らないで」
「星祈……
もう、我慢しなくていいよ」
「えっ?」
「思ってること全部、吐き出しなよ。俺は星祈の傍にいるよ?星祈は1人じゃない。
俺が、星祈の不安も苦しみも……全部、受け止める」
碧都は、私をギュッと抱きしめる。
後夜祭の時とは違って、優しく、包み込むように。
フワァと碧都の柔軟剤の香りが鼻をかすめる。
小さい頃から知ってる碧都の匂い。
安心する。
どうして、碧都はこんなにも優しいんだろう…。
私は、碧都の背中に手を回してギュッと抱きしめ返していた。
本当は、抱きしめ返すべきじゃないって分かっていたのに、碧都の優しさに甘えてしまいたいと思ってしまった。