幼女総長と不良たち


居間の机にパスタが並べられるとようやく私は下に下ろされた。

さっきのリンゴを食べた時のように向かいに里桜が座る。

でも私はなんとなく里桜の真横にパスタを持っていき、里桜の隣に座った。

そんな様子に里桜が私の頭をポンと撫でてくれた。

またぽっと胸が熱くなる。


里桜は優しい。その優しさについ甘えたくなってしまう。

パスタを食べている時も何度も私の口を拭いてくれ、また緑茶を作って氷を入れてくれて。

完全におかんだ。これは"おとん"ではない。おかん以外の何ものでもない。

パスタを食べ終えると私は急に眠気に襲われた。

耐えきれない眠気に居間の畳に横になる。

でもすぐにふわっと身体が浮くような感覚があった。


里桜の匂いがする。

ずっとこのまま抱かれていてもいいかもしれない。

私は里桜から産まれてきたの?

そんなトンチンカンなことを思ってしまうくらい安心する。

でも待って。

もし里桜から産まれてきたのだとしたら、
じゃあ里桜の結婚相手は誰??

そう思うとちょっと複雑な気分になった。



私は温かい布団に入れられ眠った。


z z z・・・



「・・・な"、なんだお前・・・

なんでお前が一緒に・・・

ま、まさか・・・貴様っ」



遠くの方からドス黒い悪魔の声がする。


「一氏《いちうじ》ぃッッッッ!!!!」

「っ??!!!!」


その重低音に起こされ布団から飛び起きると、何故か私の隣には里桜が寝転んでいて、

その上には宗平が馬乗りになり殴りかかっていた。

でも里桜が咄嗟に宗平の拳を受け止めた!


バシィィィッッッッ


・・・え?

一体何が起こっているの??

もしかしたら"おとん"が帰って来た?

おとんは宗平なの?

寝起きでもトンチンカンなことを思う私はやっぱり子供だ。


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