幼女総長と不良たち
「じゃあまずはこの服に着替えるんだ!そんなスラム街の少女のような恰好は許さんぞ!」
そう言って宗平パパがパステル調の大きな紙袋を私に渡してきた。
「お着替え、お兄さんが手伝ってあげよっか♪」
三潴が本気の笑顔を私に向ける。
「大丈夫でしゅ間に合ってましゅよ
おじちゃん!!」
私は紙袋を持ち隣の布団の部屋に戻ると襖を思い切り閉めた。
すると襖の向こうからこんな声が聞こえてきた。
「うちの姪っ子、絶賛反抗期中だな。」
三潴はセクハラ大魔王だけどノリはいい奴だった。
自分の身体と同じくらい大きな紙袋の中を見ると、色々なものが入っている。
帽子
小さなカバン
靴下
靴
ぬいぐるみ
良かった、ちゃんと子供用の下着も入っている。
でもメインである服はとんでもないものだった。
そのメインであるワンピースは構造が難しく、どこからどのように着るべきなのかすら分からない。
それでも裏返しにしたりして頑張って着替えると、なんだか自分があまりにもアホらしく思えた。
こんな服、私にはまるで似合っていない!!
私は普段パーカーにロングスカートで大学まで通っている。
因みに不良共と喧嘩する時はパーカーにハーフパンツ。
パーカーは私のトレンドマークのようなものだ。
それが何これ?このフリフリビラビラ。
これじゃ喧嘩もできやしない。
それでも今着ていたTシャツよりはマシなのかもしれない。
勇気を出して襖を開けると、里桜はまだ畳に伏せていた。
「で、できまちた。」
スカートを掴み、うつむき加減に言った。
絶対馬鹿にされる・・・