幼女総長と不良たち
鎖をちぎるのに力技では無理だと気付いた里桜が、手枷と足枷の鍵を探し始めた。
ベッドから横を見ると小さな戸棚と机が置かれている。
戸棚の引き出しに入っていた小さな鍵を見つけた里桜が直ぐに手枷と足枷を外していく。
里桜の手の温もりが私の手と足に触れた。
心臓の鼓動がトクンと小さく跳ね上がる。
「公園で倒れてる須藤を見つけてよ、お前が連れ去られたって聞いてさ、心臓止まるかと思ったよ。」
・・・・私を、探してくれていたのかな。
「り、凌久は・・・?」
「手と足捻挫したくらいだと思う。市川《いちかわ》が介抱してるよ。」
「いちかわ・・・??」
「さっき俺が一緒にいた女だよ。アイツ、須藤のこと好きなんだとさ。」
「・・・え?!」
「アイツ、須藤の追っかけしてたくらい須藤のこと好きらしくて。
・・・お、お前がどうしても須藤の元に行くってんなら須藤のこと探っておこうと思ってよ。。三潴に紹介して貰ったんだよ。」
「しょうだったの?!!」
自分のホッと安心したような声に身体中が熱くなる。
鎖から解放された私を里桜が横抱きに持ち上げると、私の手首を触って言った。
「・・・はあ、駄目だな俺。。お前のこと死ぬ気で守るって決めてたのに。。」
私の手首と足首には手枷と足枷の痕が残っている。
里桜に肩の噛み痕がばれないよう、袖のフリルが捲れてないか触って確認した。
「・・・でも、里桜来てくれたよ?」
里桜の傷のある方の目をじっと見つめる。
里桜がやっぱり顔を赤くして照れながらも私を見返した。
「里桜・・・あのね・・・」
言葉にして伝えたい気持ちが溢れ出る。