幼女総長と不良たち
違うっ、そうじゃなくって
何でその台詞なんだっっ!!!!
もっとさ、色々あるじゃん!!
ない脳ミソでちゃんと仕込んで来いよ!!
溢れ出る涙の理由が一気に変わる。
バットを肩に落とした里桜の姿が滲んで、里桜がようやく欲しい言葉をくれた。
「遅くなってすまんっ!!!!
っておまっっ・・・!
く、口の周りがっ、べとべとッッ///!!
だだダメだっ!!そんなんじゃ絶対駄目だ!!!!」
ちょっと違う。
でも里桜が制服のシャツの裾で私の口の周りを拭いてくれた。
涙が止まらない私を見て、里桜の顔がいたたまれないといった表情になる。
今度は反対側のシャツの裾で私の涙を拭いてくれた。
左右でちゃんと使い分けているところ、さすが律儀な"おかん"だけある。
「なんだこの鎖っっ!!!!悪趣味すぎだろ!!漫画でしか見たことねぇぞ?!!」
私もだよ。
里桜が力技で引きちぎろうとする。
多分、20歳の私でも引きちぎれないような頑丈な鎖なんだと思う。
「り、りおー・・・あ、会いたかったよおー・・・」
一番助けに来て欲しいと思っていた人物に会えて、自然と言葉がぽろりと溢れた。
里桜が顔を赤らめると、恐る恐る私の髪を撫でて言った。
「・・・お、俺も・・・。」
その一言で一気に私の顔も熱くなる。
ハン君はどうやら里桜の豪快なフルスイングでベッドの反対側に落ちたらしい。
こっからじゃ見えないが、軽く脳震盪をおこしているかもしれない。