幼女総長と不良たち
里桜の嫌味にハン君が鋭い眼光を放った瞬間、こっちに向かって飛び掛かかって来た!!
高さを持つジャンプだったから私でもなんとか見える速さだった。
咄嗟に里桜が横に半回転し避けるも、ハン君がベッドと私たちを飛び抜け、部屋の反対側へと転がり込んだ。
「ッぶねーな!!織果に当たったらどーすんだよッ!!!!」
里桜がハン君から目を離さないようにそっと私をベッドに置いた。
床に膝をついていたハン君がゆっくりとこっちを見据えながら立ち上がる。
「・・・目障りな、色だね・・・
金髪とか、銀髪とか・・・。」
「テメぇだって充分ハデな色してんだろが!!」
「・・・ハデな色にしてるんだよ・・・ボクには、大して色がないからね・・・。」
「・・・」
ハン君が里桜越しに私の姿を捕える。
「伊東さんは、そいつが好きなの?」
「えっ」
「ねえ、・・・金髪と、銀髪、どっちが好きなの??」
里桜が私に背を向けたままヒュッと息を吸う。
ドクンドクンと波打つ鼓動が部屋に響き渡っているような気がした。
私はハン君の顔じゃなく、里桜の大きな背中を見つめて、そしてはっきりと言った。
「金髪・・・でしゅ。」
「・・・・・」
「私は、金髪がしゅき・・・。」
里桜が少し俯き加減に頭をもたげると、頭に手を置き掻くような素振りを見せた。
今、里桜はどんな顔をしているのだろう。
まさか髪色で告白するなんて思いもよらなかった。