幼女総長と不良たち
「で?何で当人はいねーんだよ?」
「・・・そのことなんだけどね凌久、」
「この子だよ。この子が"仮面の女王"。
伊東織果さんだよ。」
洸太郎の言葉をハン君が遮った。
結論だけを話すハン君に洸太郎が溜め息をつく。
その溜め息に被せるように、不機嫌そうなハスキーボイスが部屋に響いた。
「あ"?ふざけんなよ??」
立ち上がった魔王がソファに掛かる白いTシャツを被る。
鍛えぬかれた肉体美がシャツに覆われると、銀髪の長い前髪から金色の目が光りを放った。
その美しい獣の姿に思わず私の目が惹かれる。
「・・・そのガキもハーフか。
女王もハーフなんだろ?もしかして妹でもかっさらって来たのか?」
私に視線を合わせる魔王が一歩ずつ私に近付いて来る。
ハン君に無理矢理抱きかかえられた私は、反抗心からハン君の胸元のシャツを掴めずにいた。
でも前からは魔王がやって来る。
幼虫のぬいぐるみを形が変わるくらいにきつく抱き締めた。
駄目だ。
張りつめていた糸が切れる。