幼女総長と不良たち


私のそんなモヤモヤした気持ちが顔に出ていたのか、洸太郎が痛い部分をついてきた。


「・・・・もしかして宗平から何も聞いてないの?」

「・・・・う、うん。。」

「・・・・てっきり宗平は君には気を許してると思ってたのにね。
宗平の前で君を吊るし上げたら堪らなく面白いと思ってたのになあ。」

「・・・・・・」


そうやって宗平への恨みを解消させるつもりだったのだろうか・・・。

洸太郎はいい趣味をしている。


「宗平は次男だけあって色々器用にこなすからね、周りには散々比べられてきたんだよ。

あいつも俺のことを"出来の悪い兄"だと馬鹿にしてるし、俺から恨みを買うには充分過ぎる理由だろう?」


・・・・兄弟って、そんなもんなのだろうか。


つまり宗平は"出来の悪い兄"を知られたくなかったから今まで黙っていた、ということなのかもしれない。


リミテッドビルで店員が宗平には挨拶をして、洸太郎のことは認知していなかったことがリアルに兄弟差を感じさせた。


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