諦めた心

⑧··一華


兄・日和は、
父の友人の岩間法律事務所に
就職した。

岩間先生は、力のある弁護士さんで

岩間先生の事務所には、
多くの弁護士さんが勤務している。

個人専門の弁護士と
法人専門の弁護士が
わかれて常備活躍している。

兄は、どちらも経験してから
決めるようだ。

元々、優秀な兄は、
先生方からも重宝がられているらしい。


私は、何とか司法試験に合格し
研修修習もこなし試験も通り

旭に一年遅れて検事となった。

本当に、これ以上に
勉強したことはない
と、言えるほど勉強をした。

ゆかりは、弁護士の道に進んだ。
兄と同じで検事向きではないと

私と旭は、配属先は違っていたが
ゆかりとも旭とも
連絡を取り合い
時間が会えば
飲みに行ったり
食事をしたりもしていた。

29歳になった時
異動で旭と同じ
地検特捜部検事へ移った。

大学時代から
ずっと、
私の事を支えてくれた旭に
結婚を前提に付き合って欲しいと
告白されて
こんな私を見守り
好きになってくれるならと
「宜しくお願いします。」
と、答えた。

キスは、まだ怜を意識してない頃に
高校時代に付き合った男の子と
経験はした。

だが、それから先は
経験はなかった。

それらは、
全て旭が初めてとなった。

初めてと解ると旭は、
とても喜んでくれて
こちらの方が、恥ずかしくなる
ほどだったが・・・・
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