諦めた心
⒌解放

兄が直ぐに動いたようだ。
(離婚に向けて)

旭が、珍しく私の部屋にやってきた。
(検事一人、一人に個室をもたされてる)

「一華っ、一華先生、
どう言う事でしょうか?」
「すみません、藤堂さん
コーヒーを
お願いしてもよいですか?」
「はい、解りました。」
藤堂さんは、機転の良い人だから
直ぐに部屋をでていった。

「いち····
「そのままの意味です。
旭、今までありがとう。
旭を解放してあげるから
好きなように生きて。
こんな私の為に
今まで、ごめんね。」
「そんな事思ってない。
別れるつもりはない。」
「真優さんをどうするのですか?
他にも女性がいたかも
しれませんが、
真優さんとは、長く一緒に
いるのでしょ?
一緒に暮らしているのでは?
私は自分の荷物だけを
持って母の元に帰りますから
心配ないですよ。」
と、言うと
「真優は、真優には
子供を作って貰おう····と」
「川添先生、そんな必要ないです。
女性を傷つけたら、
仕事にも支障がでますよ。
お義母さんからも
色々言われて、貴方もつらかったの
でしょ。
真優さんを大事に、大切に
してあげてください。
後は兄に全てを任せていますから
兄と話して下さい。」
と、言った所で
« コンコン »
と、ノックの音

入ってきたのは、藤堂さん。
「すみません、藤堂さん。
川添先生は、もう戻られるそうです。
「あっ、そうですか?
それなら、私が頂いても。」
「どうぞ。」
と、藤堂さんと会話をしていると
諦めたのか旭は、そのまま出て言った。
< 29 / 49 >

この作品をシェア

pagetop