諦めた心

結婚生活も一年、二年経つと
川添のお義母さんからは、
子供の事を催促されるように
なった。

お義父さんの居ない時に
限るが・・・

近頃は旭まで一緒になって
言う始末だ。

「やはり、できないじゃない
大丈夫なの?」
と、お義母さん
「一華が、こんな体だから
仕事が終わると疲れて
動けなくなったりして
中々、そこまで行かないんだよ。」
と、旭が言うと
「女で検事なんて。
辞めて、旭の為に家事とかを
やってはどうです。」
と、言うから
「母さん、俺も頑張るから
もう少し待ってよ。」
と、言う旭だが

私は、ため息しかでない。


更に月日が過ぎると旭は、
帰らない日が出来てきた。

仕事だと思っていた。
夫婦でも内容は話せないから····

私も忙しいし。

私は、書記官の藤堂さんに
すごく助けてもらっている。

藤堂さんと旭の書記官の木原さんは
仲が良くて、良く私の部屋に
遊びに着ていた。

そのときに、旭は仕事が
今少ないから早く帰って
来るでしょう。
と、言われて
ああ、そういうことかと思った。

クリスマスも年末も
旭は、家には帰って来なかった。

私も騒ぎ立てることもなかった。

年度末から元旦まで
仕事が片付かなくて
藤堂さんと二人
くたびれ果てていたが
やっと終わり解散した。

藤堂さんの奥さまには
本当に申し訳なかったが
藤堂さんからは
「お互い様ですよ。
では、先生
良いお年をと
明けましておめでとうございます。」
と、言われて
私も挨拶を返して別れた。

やっと家について
足をあげて座る
はぁっ、疲れた。

座ってしまうと何もやる気にならずに
そのまま、ずるずると
ソファーへ、横になる。

なんだか····
つかれちゃったなぁ·······

そのまま、眠りへと引き込まれていった。
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