諦めた心
⒏真実を知る

「相変わらずだな、大賀。
だが、俺がお前を家に連れて
行かなければ良かったんだ。
そしたら、一華も苦しむことも
なかったんだ。」
と、言うと
「いったい····なんの話だ。
佐野先生に近づきたくて
一華からの告白を受けたことか?」
「ああ、それもある。
なんども気持ちがないなら
やめるように、俺言ったよな。」
「先生は、俺の目標で道しるべ
だったんだ。
ずっと、先生に憧れて
俺の絶対的な人だったんだ。」
「だからって、利用して
傷つけてもいいのか?
そうじゃないだろう。

親父は、そんな姑息な手を
使わなくてもお前の事は
ちゃんと見ていたはずだ。

あの事故だって
一華が大好きな親父を
自分のせいで失って平気で
いたと思うか?
納骨までの間、毎日、毎日
親父の遺骨から離れずに
謝り続け、そのまま寝てしまう
そんは日々を送っていたんだ。

そんな一華に
お前、納骨の時になんて言った?
〖お前が死ねばよかったんだ。〗
と、言ったんだ。
お前に一華の何がわかる。
どんな気持ちで一華が
毎日を過ごしていたか

なのに·······

お前のあの時の言葉で
一華は、あの日の夜に
自殺を図ったんだ。

お前がたった一度
嫌々ながら一華を連れていった
海で······

まぁ、あの時
お前がどうやって
一華の居場所をしったか
知らないが····
礼なんか言わない。

お前のせいだから·····

一華がいなくなって
半年が過ぎていた。

病院に駆けつけた時も
意識はなく
身体中傷だらけ
脾臓は裂け、頭も縫合され
左手は骨折していて
左足は、凍傷と漁師の編みに絡まり
三本を切断している。

低体温でどこから血が流れてる
かもわからない一華は、
駄目かと思われていたらしい
だがな、一華は助けられた時も
涙を流したそうだ。

なにも一華の事を
知らない先生だが
一華をなんとしても
助けないと行けないと
思ったと話してくれた。」
と、俺が言うと
大賀は、唇を押さえて
うつ向き黙りこんでいた。
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