好きなんだから仕方ない。
初めてだったんだもの。クロエラへの恋心も、あの女中に取られたくないという気持ちも全て。
初めてな事は全てクロエラがそばにいてくれた。クロエラが関係していた。味方でいてくれた。
一緒にいてくれたから愛した訳じゃない。そばにいてくれて味方でいてくれて関係していたからクロエラという人を知れた。どういう人なのかを知った。だから好きになったのに。

「お前は腰が低すぎる。王族なら堂々としていろ」

「嫌です。私は私の方法で王座を狙います。私は・・・私のまま」

「甘いな。まぁ良い。俺が就けば良い話なのだから」

ミセラさんにお礼を良い、半ば強引に長男に手を取られて大広間に向かう。途中で一緒にクロエラは不安そうに私を見つめていた。
きっと、私が長男に王座を譲って妻になろうとしているんじゃないかと心配しているんだ。そんな事しないのに。
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