好きなんだから仕方ない。
クロエラのせいじゃないのに。ただ私が勝手に悩んで勝手に決めた事なのに。

「クロエラ、下がって」

「お前は何も分かっていない!僕がいなければ人間からも逃げられなかったじゃないか!」

「私はもう大丈夫。後はきっと、自分でどうにか出来る」

「出来やしない!お前は昔からそうだ!」

「じゃあ名前で呼んで。パルドメールは昔からそう。冷静さを失うといつも名前じゃ呼んでくれなくなる。私をお前って呼ぶの。自分の気持ちを押し付けている罪悪感があるからでしょう?私の目を見て違うと言える?」

クロエラの前に立つとヅヌダクの腕から脱け出したパルドメールはまた私の胸ぐらを掴んだ。でも、そうなの。もう時間をぎりぎりまで使って悩み抜くって決めたの。
パルドメールを真っ直ぐ見詰めると、私の言葉に反論しなくなった。
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