好きなんだから仕方ない。
とても産まれた事を責められる生活をしてきた子だとは思えない。もう少しひねくれていても、況してや笑えなくても誰も責めたり嫌ったりしないはずなのにとても感情豊かで。

「・・・何だよ?」

「いやぁ、うん。何でもない」

「何だそりゃ。てゆーか、元の大きさに戻らねぇのかよ?自分で歩いた方が体力付くだろ?」

「うーん、ほら。光が眩しいから」

訳が分からないという表情をされたけれど仕方無い。彼の肩に乗ったまま動かなかったのは自分でも無意識に居心地が良いと感じていたからだし、黙って見つめていたのだって見たかったからで特に深い意味はない。納得させられるような返事が出来なかったんだ。
ただ、何でだろう。出会って少ししか経っていないはずなのにこんなに安心できるのは。
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