好きなんだから仕方ない。
助けられる命がある事も忘れ、クロエラの方へと歩いた。止められるはずの涙が溢れて止まらなかった。触れても力なく動かない体から剣を抜くと血がまだ生きたかったと溢れ出してきた。
涙で濡れた手で傷口を塞いでも治るはずもない。なのに、どうして退けれないんだろう。生き返ってくれるはずもないのにどうして涙が止まらないんだろう。私は何をしているんだろう。
「おい、エイミア。大丈夫か?おい!」
「触らないで!!」
何かが起きた。自分でもよく分からない。でも、目の前は真っ白だった。
侵入者の誰かが名前を呼んだ。“エイミアちゃん”なのかと。知らないわ、そんな名前。今は自分の名前すら聞きたくないわ。
少し手を浮かすと溢れ出したクロエラの血液が私の涙と一緒に体内へ戻っていく。破れた服の隙間から見えていた痛々しい傷口もゆっくりと塞がっていく。クロエラに血色が戻っていく。咳をするように息を取り戻し、閉じられた目はゆっくりと開かれて私を見つめてくれた。
涙で濡れた手で傷口を塞いでも治るはずもない。なのに、どうして退けれないんだろう。生き返ってくれるはずもないのにどうして涙が止まらないんだろう。私は何をしているんだろう。
「おい、エイミア。大丈夫か?おい!」
「触らないで!!」
何かが起きた。自分でもよく分からない。でも、目の前は真っ白だった。
侵入者の誰かが名前を呼んだ。“エイミアちゃん”なのかと。知らないわ、そんな名前。今は自分の名前すら聞きたくないわ。
少し手を浮かすと溢れ出したクロエラの血液が私の涙と一緒に体内へ戻っていく。破れた服の隙間から見えていた痛々しい傷口もゆっくりと塞がっていく。クロエラに血色が戻っていく。咳をするように息を取り戻し、閉じられた目はゆっくりと開かれて私を見つめてくれた。