好きなんだから仕方ない。
助けたいから助けに行く。それを口に出せば賛同する者が付いてくる。それが、ヅヌダクという男だった。助けてと言えば力を貸してくれる最高の味方がいた事を忘れていた。

「クロエラ!お前・・・、何して・・・」

「お願いします。お暇をください」

「俺もお願いします。出来れば数人の見張りを付けてくださればありがたいのですが」

俺とヅヌダクは後から来た国王になった次男と長男に頭を下げた。手荒な方法だが、こうやって国王を目の前にしても喧嘩を止めなかった俺たちに反省しろと休職を言い渡してほしかったんだ。そうすれば今すぐ、エイミア様の許へ行けるから。
ただ、二人も国の頂点に君臨しているんだ。そこまでバカじゃない。大広間でエイミア様の置かれている状態の憶測や宿屋の主人から聞いた事を話さなければいけなくなった。
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