好きなんだから仕方ない。
子供たちと一緒にいたなんて言えなかった。野原は子供たちの秘密の花園だったし、パドも殺気に満ちた目をしていたから安全の保証が出来ないと思ったから。
嘘にはならない軽い真実を話すとパドは私を抱き締めて泣いた。また会えなくなると思うと怖かったと何度も言っていた。
クロエラたちがいない今、彼に嫌われれば私はこの町にいられなくなるかもしれない。折角仲良くなった子供たちとも会えなくなってしまうかもしれない。冷静に慎重に行動しなきゃ。

「綺麗ねぇ。羨ましいわぁ」

「本当に綺麗ね。私の若い頃にそっくり!」

「ありがとうございます」

機嫌を損ねないようにしなきゃ。次の日の朝、式の衣装に着替えさせてもらいながらどうしたら機嫌を取っていられるのか探りながら観察していた。
私の居場所が無くなってしまわないようにするには仕方ない。気を揉むしかない。それしか私に道は残されていないんだから。
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