今夜、あなたに復讐します
 秘書室に戻ると、夏菜がパソコンの画面を見つめて、じっとしていた。

 一見、隙だらけに見えるが、後ろからつついてみたらどうだろうか、とふと思う。

 まあ、投げ飛ばされるだろうな、俺でも、などと思いながら、自分はまだ彼女を見ていたらしい。

 夏菜がビクつきながら、訊いてくる。

「ど、どうしたんですかっ。
 指月さんっ。

 あっ、そうだっ。
 やっぱり、来てくださいませんか、呑み会っ。

 でないと私、殺されますっ」

 さっき、トイレで利南子さんに会ったんですっ、と言う。

「出席しないと誰かが殺されるような危険な呑み会には行きたくない」

 いや、そうじゃなくてですね~っと言った夏菜は手を合わせ、拝むような仕草をして言ってきた。

「お願いしますっ。
 一生恩に着ますからっ」

「一生……」

「はいっ。
 恩に着ますからっ」
と多少食い気味に夏菜は言ってくる。

 自分の席に着きながら、
「わかった。
 考えておく」
と言うと、夏菜はホッとした顔をしていた。
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