蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】

「鏡花、そういえばお前アルコールは大丈夫なのか?」
不意に思い出したように蓮人兄さまは言うと、私に視線を向ける。今までのような威圧感がなく、私はクスリと笑い声を上げた。

「兄さま、私をいくつだとお思いですか? とっくにお酒も飲めます」
その答えに、蓮人兄さまは「ああそうだな」となぜか複雑そうな表情を浮かべた。

「初めての鏡花との酒だな」
「はい」

少しその言葉が照れくさくて、目の前の蓮人兄さまが昔の優しかった蓮人兄さまのようで、私は嬉しさと、緊張からいきなり赤ワインを口にした。
ほろ苦い久しぶりのアルコールが身体をカッと熱くする。しかしさっき大きなことを言ってしまった私としては、そのことを知られたくなくてポーカーフェイスを決め込む。

蓮人兄さまも、今はリラックスをしているようで私の料理を口にしていた。
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