蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
「蓮人兄さまも名前に上がってるなんて聞いてないから」
「そう? 蓮人君も従妹だし、大村の一族じゃない。おかしくないでしょ? 本家でも真翔君は次男だし、蓮人君は長男よね。だから真翔君でも蓮人君でもどちらでもお母さん的にはいいけど、蓮人君がそういうならって」
お母さんはブツブツ言うと、お父様の立てたお茶に手を伸ばす。
しばしお茶の時間になり、無言が続く。
蓮人兄さまはどういうつもりで、こんな話を持ってきたのか……。
しかし少し考えてみればすぐにわかることだ。私と結婚なんてしたくないのだろう。
お姉ちゃんでもない、こんな年下の冴えない女との結婚などは考えたくはない。
その事実に、心が重く暗い気持ちになる。