わたしにしか見えない君に、恋をした。
「――つーか、どっか行きたい場所ある?」
「あるある!駅前のカフェ!いい?」
「いいよ」
俺と流奈は揃って喫茶店までの道を歩き出した。
「それでね、明子がね……――」
流奈は危ない。注意力が散漫なタイプなのかもしれない。
歩道と車道の区分がない場所だとふらりと車道側に寄って行ってしまうことがある。
「流奈、こっち」
俺は流奈の肩を掴んで自分の左側に寄せた。
「ん?なんで?」
「別に。ただなんとなく」
「ねぇ、湊……」
その場に突然ピタリと立ち止まった流奈。