その瞳に涙 ― 冷たい上司の甘い恋人 ―


「前に言ったじゃないですか。会社でそんなふうに綺麗に笑ったら、他のやつがれーこさんの魅力に気付いちゃう、って」

眉を寄せて冷たく睨む私を見つめる広沢くんの瞳が切なく揺れる。

その表情に思わず眉間を緩めたら、彼がふっと微笑むように目を細めた。

それをつい目がそらせずに見つめていたら、頬に触れたままの彼の手が私の頭の後ろに回る。


「だから、ちゃんと俺だけに笑ってください」

掠れた広沢くんの声を聞いたら、「仕事中」だというのに、落ちてくるキスを拒めなかった。
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