その瞳に涙 ― 冷たい上司の甘い恋人 ―
「だけど、そろそろ体重増加を気にしなきゃいけないかなと思ってて……」
れーこさんが、もう誰が見ても目に見えて大きくなったお腹を気にして、エプロンの上から撫でる。
「あ、でも。今、すごい動いてる」
れーこさんに手をつかまれて、大きなお腹に手をあてたら、その下でぐにょんと何かが動くのを感じた。
「あ、ほんとだ。こいつも、ケーキ食いたいんじゃない?」
「そうかな」
「今日ケーキ買ってきたのは、産休まで仕事頑張ってたれーこさんへのご褒美。あとで一緒に食べよう。3人で」
「うん」
愛おしそうにお腹を撫でるれーこさんのおでこにキスをすると、彼女が俺を見上げて微笑んだ。
れーこさんと結婚して2年が過ぎて、もうすぐ俺たちのあいだに子どもが産まれる。
妊娠がわかってからもフルタイムで働いていたれーこさんだけど、今日からはしばらく産休だ。
「いつでもご飯は食べられるわよ。それとも、先にお風呂に入ってくる?」