復讐の華

「大丈夫?華月ちゃんと紘斗くんは特に仲が良かったから、心配してたのよ」


上田さんが優しく声をかける。


「大丈夫です。飛鳥はずっと、私に付いていてくれますから」


私はそう言って、ネックレスを握り締めた。


飛鳥にあげたお揃いのネックレスの片方は、飛鳥と共に焼かれた。だから天国にいってもずっと一緒だ。


葬儀が終わった後、おばさんが私に1つの手帳を手渡した。


「これ、あの子も華月ちゃんに持っていてもらった方が喜ぶと思うから…」


それがあの手帳だ。飛鳥が綴っていた日記。


おばさん達が中身を読んだのかは分からないけど、これを私にくれたお陰で飛鳥の死の理由が分かった。


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