君は冬に華を咲かす
悲劇の始まり

悲しい悲劇は突然私を襲った。


いつも通りに日常を…当たり前を過ごしていたはずだったのに。





「お母さぁん、おはよ〜」
私はいつも通り階段を下っていった。
「ハナ、お父さんには?」
と、新聞とにらめっこしていた父が顔を上げた。
「ハイハイ、お父さんもおはよ」
「こら、ハナ、お父さんにも優しくしなさい」
「はーい」
私は席につき朝食の味噌汁を飲み、ご飯を食べた。すると、慌ただしい足音が聞こえた。
「母さん!!なんで起こしてくれなかったんだよ!!」
兄のヒナが階段から今にも転げ落ちそうな勢いで降りてきた。
「何度も起こしましたよ」
「今日は日直で早く行かなきゃだったのに!!…って言うか、ハナ、お前、今日栽培委員会の仕事があるって言ってなかったか?」
「え…??うそ!!ホントに?!やばっ!時間ない!!!」
「もう、あんた達は兄妹揃って…ってお父さん!もうそろそろ道路が混む時間ですよ?!」
「なに?!いかん!!ゆっくりしておれん!!」
「お母さん!ご飯美味しかった!ありがとう!!」
「気をつけて行ってらっしゃいな」
「母さん!弁当弁当!!」
「俺も!」
「ハイハイ…ふぅ…って私も仕事遅れちゃう!!」
と言うふうに私たちの朝は毎日慌ただしく始まる。
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