君は冬に華を咲かす

私はどうしてしまったのだろうか…
「じゃあ…お母さん達、先生とお話してくるからね」
色々検査を済ませて私は待合室で待機していた。先生からは私抜きの3人でと言われたらしい。
(私のけもの…??)


その頃、診察室では…

「神田 華さんのかかっている病はとても珍しく…日本でも例が少ないんです。今の技術ではどうしようも…まぁ…もって…」

「そんな…嫌よ…嫌…うぅっ…」
「母さん…」
「ハ、ハナが…?あと…1年しかもたないだと…??」

診察室は母の鳴き声とヒナの呻き声で埋め尽くされた。父は壁にもたれて放心していた。
「秋ぐらいには…もう寝たきりになるとは思いますが…それまでは…」
「ハナと…過ごさせてください…最後、冬になってもう話せなくなったらあの子を外に出させてあげても…いいですか…?」
「はい。」
「これ…ハナには…言うのか…?」
「言えるわけ…」
「俺が言ってやろうか…?」
「父さん…」
「あなた…いいの…?」
「ハナは賢い子だ。恐れることは無い。俺は…お父さんだから」
あの時の父の微笑みは忘れられないものになっただろう。震えて絞り出した声は一家の大黒柱とは程遠く、でも、その背中は立派なものだった。
< 5 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop