旦那様は懐妊初夜をご所望です~ワケあり夫婦なので子作りするとは聞いていません~
堺氏にとって、萌奈は政略結婚の相手として申し分ないだろう。萌奈の病院に派遣社員を送れなくなると、あちらも困るはずだ。
『お願いします。僕は萌奈さんを守りたい。僕のところにいれば、堺氏に知られているご実家にいるより、萌奈さんを安全に保護できるはずです』
『ううむ……』
『もし萌奈さんがどうしても僕を好きになれないようなら、すっぱり諦めます。彼女が了承するまで、ご両親がご心配されるようなことはしないと誓います』
綾瀬夫妻にとって、堺綾人が萌奈に勝手な接触を図ることは好ましくないはずだ。
『しかし萌奈は記憶を失っていて……』
『だからです。僕と萌奈は既に結婚しているということにしましょう。そうすれば萌奈が撃ちに来ることが自然になる』
『しかし、そんな生活はすぐに破たんする。いくら萌奈がぼんやりしていても、バレる日が必ずくるでしょう』
綾瀬夫妻は頭を抱えた。無理もない。