イジメ返し―新たな復讐―

あの二人がうちにくるには何か目的があるはずだ。

小学校の時からそうだった。カスミちゃんと志穂ちゃんは特に仲の良くないわたしの家に気が向くとやってきた。

小学校の時はうちをお菓子が出る家と認識してやってきては、あたかも自分の家であるかのようにお菓子を要求し、母の目を盗んでは冷蔵庫の物を食べた。

傍若無人な態度を取り自分の家にも関わらずわたしは仲間にも入れてもらえずに部屋の隅でじっとしていることしかできなかった。

中学生になると冷暖房完備の我が家にやってきてはスマホをいじったりベッドに寝転んで漫画を読んだり、まるで漫画喫茶にでも来たかのように過ごしていた。

時には『愛奈、アイス』と冷蔵庫の中のものまで運ばされた。

高校に入学してからは一度も来ていない。

きっと二人はその間に誰かいいターゲットを見つけてその人に寄生していたに違いない。

カスミちゃんにいじめられて心を病んだ人や学校を辞めた人や転校した人は数えきれない。

あの二人には正攻法など通用しない。

だから、従うしかない。必死に歯を食いしばって唇を噛みしめて、例え血が出ようとも。

【ピーンポーン】

チャイムが鳴った瞬間、胃の奥から苦い物が喉元まで込み上げてきた。

これからどんな苦痛が待っているんだろう。考えただけで気持ちが重たくなる。

ハァと一度息を吐いてからわたしは玄関の扉を開けた。

それが地獄への入り口だということをまだわたしは知らなかった。
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