ワタシはロボット 第5話
だって、ワタシが顔を上げたらそこには伊織サマの後悔の思いと心配の思いが混じったような瞳が目の前にあったから——。







「っ」






「…てか、俺も相当馬鹿ですね」






と、なぜか敬語になりながら「この俺様が落ちることはあるのにボロットは落ちないとかありえないからな」と付け足す伊織サマ。







……なぜ。






ただのロボットになぜここまでしてくれるの?






だって、壊れてもいくらでも代わりはいるし、それに、学校にだって人間のトモダチというものがいるんでしょう?







…なんで?






「伊織サマ…あの——」






「よっし、おら早く立て。は? そんな顔しても誰もお前のことなんか助けねーよ」






「…えっ? あっ、はいっ」






立ち上がると、足に激痛が走った。




< 11 / 23 >

この作品をシェア

pagetop