ワタシはロボット 第5話
ワタシが痛みに顔を歪ませると、それを見てワタシよりも痛そうな表情をしてから「あーーっ、待て。そこで待ってろ、気が変わった」と言ってどこかに行ってしまった。
……病院に行かせるつもりはないってことかな。
当たり前かと聞かれれば、そうなのかもしれない。
ワタシは家事をするだけの役割のロボットなのだから、痛いのなんか、ワタシが我慢さえすればお金なんかかけなくてもいい。
わかっているのに、突き放されたようで、胸が痛かった。
…別に、前の伊織サマに戻っただけじゃん。
そう言い聞かせて、自分を納得させようとする。
「…あ……れ?」
ポロポロと何かが落ちてくる。
——ワタシ、これ知ってる。
涙だ。