きみと秘密を作る夜
「里菜子」


晴人が私の名前を呼ぶ。

その瞳に映る、私が見える。



「ねぇ、ずっとこうしててよ」


晴人は答えず、代わりに口付けをくれた。


汗ばんだ肌と肌が密着する。

どれだけ言葉を並べるよりも、セックスで繋がることが、一番わかりやすいから。



「里菜子」


晴人は行為の間に、何度も何度も私の名前を呼ぶ。



もっともっと、名前を呼んで。

私のこと以外、考えないで。


欲深い思考は、際限ない。



「晴人」


ねぇ、晴人。

ずっとこのまま、夜が明けなければ、永遠にふたりだけの世界を作れるのにね。

< 67 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop