君に毒針
「…今日じゃなきゃ、ダメですか?」
気づけば、何となく察してしまった終わりを迎えたくなくて、こんなずるいセリフを吐き出していた。
口から出たもの訂正なんて出来なくて、しまったって顔をしたら、先輩は「俺は今日がいい」って、笑う。
始まりも終わりも、結局それは先輩の手のひらの上で、わたしに決定権はないんだ。
ちゃんとゆっくり、もっとゆっくり、なんならあと数年かけてわたしは先輩を諦めようかなってくらい、長丁場を覚悟してたのに。
前触れもなく、突然に、気が向いたかのように、先輩は終わらせに来ているんだ。
おかしいな。
先輩のことすきでいるのやめたいって、そう宣言したのはわたしなのにな。