君に毒針
君の知らない小噺
雨の日の白状 ─橋田竜星─
すきだったのか、と問われればすきだったんだと思う。
自分でも上手く言えないけれど、確かに俺はあの子のことを特別だと思っていたし、今でも思っている。
「リュウ先輩っ!おはよーございます!今日もだいすきです!」
眩しいくらいの真っ直ぐな好意は、心地が良かったし単純に嬉しかった。
好意を向けられるのは初めてじゃない、むしろ多い方だと思う。だけど、あの子のそれは他の子のとは違うと感じて、だから、ダメだった。
─────そう、本当は、ただ俺が、意気地の無い男だっただけなんだ。