嫁入り前夜、カタブツ御曹司は溺甘に豹変する
驚いてはいるが嫌がっている素振りはない。
まだ入籍をしていないから俺ものというわけではないし、どこまで俺を受け入れてくれるのだろうか。
家庭を持つことに興味がなかった俺の考えを変えた女性。一生大切にしたいし、子供もいらないと思っているけれど、花帆が望むのなら努力して、我が子にも精一杯愛情を注ぎたいと思っている。
「花帆」
耳元で囁く。
花帆の耳は赤く色づいていた。
顔だけ振り向いた花帆の瞳は困惑の色を浮かべていて、眉は情けなく下がっている。それがまた愛おしく感じた。
「大事にする」
本当に。心から思っている。
ゆっくりと顔を近づけて、ひたりと唇を合わせた。
このまま時が止まればいいのに。
名残惜しさを胸に抱きながら唇を離して花帆と視線を合わせる。花帆はすぐにさっと目を伏せて、唇を真っ直ぐに結んだ。
「嫌だった?」
急速に不安が込み上げてきて焦りが胸を支配する。
花帆は俯いたまま顔を横に振って口をもぞもぞと動かした。
「言いたいことがあるならハッキリ言ってほしい」
まったく余裕がないのに、喉から上がっていった声はいつも通りに落ち着いていた。
ポーカーフェイスでよかったと心底思う。
まだ入籍をしていないから俺ものというわけではないし、どこまで俺を受け入れてくれるのだろうか。
家庭を持つことに興味がなかった俺の考えを変えた女性。一生大切にしたいし、子供もいらないと思っているけれど、花帆が望むのなら努力して、我が子にも精一杯愛情を注ぎたいと思っている。
「花帆」
耳元で囁く。
花帆の耳は赤く色づいていた。
顔だけ振り向いた花帆の瞳は困惑の色を浮かべていて、眉は情けなく下がっている。それがまた愛おしく感じた。
「大事にする」
本当に。心から思っている。
ゆっくりと顔を近づけて、ひたりと唇を合わせた。
このまま時が止まればいいのに。
名残惜しさを胸に抱きながら唇を離して花帆と視線を合わせる。花帆はすぐにさっと目を伏せて、唇を真っ直ぐに結んだ。
「嫌だった?」
急速に不安が込み上げてきて焦りが胸を支配する。
花帆は俯いたまま顔を横に振って口をもぞもぞと動かした。
「言いたいことがあるならハッキリ言ってほしい」
まったく余裕がないのに、喉から上がっていった声はいつも通りに落ち着いていた。
ポーカーフェイスでよかったと心底思う。