【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


「だけど、最後に残るのは希望」


「希望……?」



私は小さく呟いて繰り返す。



「そう。心の中に封印した嫌な記憶とか、悪いことが起きて、苦しんだことも。そういうもんを自分から誰かに打ち明けて、救われる人間もいる。そして心に残んのは希望だ──ガキの頃、母さんが俺に話してくれたことだけどな」



虹くんが隣でフッと息を吐くように笑った気がした。


これは私の勝手な想像だけれど、小さい頃の虹くんは、お母さんから聞いたその優しい話を、とても大切にしていたのかなって思ったんだ。


……最後に残るのは希望なら。



「虹くん、一緒に開けようよ」



もう、迷いはなかった。


あの頃の傷はまだ癒えないけれど、虹くんと一緒なら、大丈夫。

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