【完】絶対に内緒のふたり暮らし♡1/2


あんな風に私に声をかけて、写真を撮ったりしたのも、きっとお兄ちゃんなりの歩み方だった。



「それ、何?」



テーブルの上の宝箱に虹くんも気づいたみたいだ。



「虹くん……これ、開けよっか」



手のひらで握りしめ続けていた鍵を見せる。



「黒田は、覚悟出来てんの? これはパンドラの箱だけど?」



意味わかる?と、虹くんは宝箱を見つめたまま言った。



「開けちゃいけないって言われる箱のことだよね……?」


「開ければ最後。災いが降りかかる」


「……で、でもこれを開けないと最後のミッションが……」



そんなこと言われたらこの期に及んで躊躇ってしまう……。

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