きっと、月が綺麗な夜に。
4つもキーを下げて歌うと、元の女性の柔らかな歌から僕のウィスパーボイスに合う音へと曲が変化を遂げる。
好きなシンガーソングライターが夕方の音楽番組でカバーしていたのを聴いて、別に誰に聴かせるつもりもなかったのに何回も録画を観て練習したっけ。
「お、1番好きかも。歌声に合ってる」
漏れ出た優の感想に少し照れつつ、演奏は何とか止めないでサビ前の1音を鳴らして息を吸うと、喉を閉じ気味に歌っていたのもあって、大きく息を吸う音が演奏に乗った。
そしてサビの音を出すと、後方から、僕の歌う声に合わせて聴きなれたやわかい鼻に響かせる声がハモってくる。
それはやはりいつの間にか目を覚ましていた美矢の声で、3時間程寝て体力を回復させた美矢の声は寝起きのはずなのに綺麗に演奏に溶け込む。
身に余るような幸せに、耳から熱が広がって体ごと溶けてしまいそうだ。
永遠にも似た、しかし一瞬のその幸せな時間が演奏と共に終わり、僕は幸せをくれた主へと振り向く。
「……おはよう、元気になった?」
「おはよ、体も心も元気。それに、綺麗な音で目が覚めるって最高だね」
触れたら柔らかそうな弧を瞼で描いた美矢は立ち上がると、優の方へとすたすた、と歩いて行く。
「寝ちゃってごめん。続き、する?」
「大丈夫。そこの色男が残り全部やってくれたから。あとはボクの腕の見せ所かな」
優の答えに、美矢はハッとして再び僕を見た。ずっとギターが好きな自分を隠して来た僕のその行動に、少しばかり驚いたのだろう。
僕だって自分でびっくりしてるくらいだ。仕方ない。美矢に絆されてしまったのだ。
好きなシンガーソングライターが夕方の音楽番組でカバーしていたのを聴いて、別に誰に聴かせるつもりもなかったのに何回も録画を観て練習したっけ。
「お、1番好きかも。歌声に合ってる」
漏れ出た優の感想に少し照れつつ、演奏は何とか止めないでサビ前の1音を鳴らして息を吸うと、喉を閉じ気味に歌っていたのもあって、大きく息を吸う音が演奏に乗った。
そしてサビの音を出すと、後方から、僕の歌う声に合わせて聴きなれたやわかい鼻に響かせる声がハモってくる。
それはやはりいつの間にか目を覚ましていた美矢の声で、3時間程寝て体力を回復させた美矢の声は寝起きのはずなのに綺麗に演奏に溶け込む。
身に余るような幸せに、耳から熱が広がって体ごと溶けてしまいそうだ。
永遠にも似た、しかし一瞬のその幸せな時間が演奏と共に終わり、僕は幸せをくれた主へと振り向く。
「……おはよう、元気になった?」
「おはよ、体も心も元気。それに、綺麗な音で目が覚めるって最高だね」
触れたら柔らかそうな弧を瞼で描いた美矢は立ち上がると、優の方へとすたすた、と歩いて行く。
「寝ちゃってごめん。続き、する?」
「大丈夫。そこの色男が残り全部やってくれたから。あとはボクの腕の見せ所かな」
優の答えに、美矢はハッとして再び僕を見た。ずっとギターが好きな自分を隠して来た僕のその行動に、少しばかり驚いたのだろう。
僕だって自分でびっくりしてるくらいだ。仕方ない。美矢に絆されてしまったのだ。