きっと、月が綺麗な夜に。
お昼休憩を挟み、千明を主軸に貴人も含む2人の撮影が始まった。
さっきの遊んでいた時間に似た撮影とは打って変わって、聡明な千明は結構本格的に動きをお願いしたりした撮影を行っている。
貴人は砂浜で大きな砂の城を僕と作って遊んでいて、その後ろから師匠さんが撮影していた。
美矢はというと、撮影がスムーズに進んでいるから明るいうちに海辺での撮影を今日済ませたいということになり、服をMV用の物に取り替えるため1度帰宅している。
そうしている間に貴人が砂の城を完成させて、飽きたのか、見た目が派手な優にも億さず遊ぼうとせがみ始めた。
「ねー、見た目はお姉さんのお兄ちゃんも遊ぼうよ!」
「ボクはいい。汚れるもん」
「えー、いいじゃん!どうせこじろーせんせーの家に泊まるならお風呂入るでしょ?それともおじさんだから無理?」
「誰がおじさんだガキ!捕まえて振り回すぞ!」
すっかり貴人に乗せられて、足場が不安定な海をかけっこし始めた貴人と優を横目に、体力ないから止めとけば良いのに……なんてぼんやりと僕は休憩に入った。