一匹狼くん、 拾いました。弐
「ミカ、これからどうする? あんなことがあったし、孤児院に行くのは明日にするか?」
ミカの顔色を窺いながら、結賀はいう。
「……いや、今日行く。親父と話したら、余計本当の親のこと知りたくなったから」
俺の肩から顔を離して、涙を拭いながらミカは言う。
「そっか」
「うん。……仁、ありがとう。肩貸してくれて」
「ああ。ミカ、わかってると思うけど、孤児院に子供を捨てるのなんてきっと……」
いい親じゃないとは言えなかった。ミカにはどうしても幸せになって欲しかったから。
「……うん、大丈夫。もう泣かねぇよ、何があっても。どうせ会ったこともねぇ奴らだし」
「別に泣いていい。俺っ、俺らの前なら、いくらでも。ただ、絶対独りで泣くな」
俺の前って言いそうになって、慌てて俺らって言い返した。
何も求めちゃダメだと思っても、心の奥底で独占欲が疼く。
泣くなら俺の前だけにして欲しい。結賀にまで涙を見せないで欲しい。
「……うん、ありがとう」
ミカがぎこちない顔で笑う。
表情から、俺の言葉に戸惑っているけれど、少しだけ嬉しいとも想ってくれてるような様子がみてとれた。
可愛い。
俺はこいつがこうやって笑ってくれてたら、それだけで幸せだ。
まぁそのためには自分のこいつへの所有欲を抑え込まなきゃだから、決して幸せの絶頂ではないんだけど、それでも俺は少なくとも不幸ではない。
むしろ俺は恵まれてる。好きな人に求められてるんだから。たとえそれが、親友としてだとしても。