一匹狼くん、 拾いました。弐

「緋也、連れてきたぞ」

「うん、ありがとう結賀」

 屋上には、緋也がいた。

「緋也、なんで」

「……二人に報告があってね。露麻なんだけど、罰金払い終えて、今は自由の身みたい。魁斗が露麻が雇われてる会社知ってるみたいでね、それで調べてくれたんだ。

だから近々、ミカの家か、ここか、あるいは僕の家とかに来るかもしれない」

 思わず言葉を失う。

 露麻は父親に言われて俺に暴力を奮っただけだから、大した罪にならなかったのか。

「……まぁ、来ても主人が捕まってるんだし、ミカに手出しはしないと思うけど、一応用心しといた方がいいかも」


「……わかった」

 結賀が頷く。

 俺は、怖くなって声を出せなかった。


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