一匹狼くん、 拾いました。弐

「……いたわる?」


「ああ、そうだよ! もっと自分を大切にしろ!」

 葵が俺の肩に手を当てていう。

「大切になんてできねぇよ。だってあいつらは、俺のせいで死……」

「お前のせいじゃねぇ! 楓が死んだのはお前の父親のせいだし、岳斗が死んだのは不慮の事故だ! あの女は見当違いも甚だしい! 怒りたいなら怒れ! 違うなら、違うってちゃんと言え!!」

 葵は俺の肩を掴んだままの状態で、耳元で叫んだ。

「うっ、うっ……」

 泣き崩れた俺を葵はぎゅっと抱きしめてくれた。


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